社会人3年目の日々のこと

日々のこと、これからのこと書きます。

【コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店】町田その子

2021本屋大賞「52ヘルツのクジラたち」町田その子さん著


今回は「コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店」を読んでみました。

「52ヘルツのクジラたち」を読み、他の作品も読んでみたいと言うことで手に取ったのがこの一冊。


北九州の小さなコンビニで繰り広げられる心温まる6編の連作短編集。

とあるコンビニを舞台に、悩みを抱えた人たちがやってきてそれぞれの人生を描いていく作品。この作品のキーパーソンはやはり、老若男女を意図せず虜にしてしまうフェロモン店長・志波三彦。

またふらっと謎に現れる通称なんでも野郎のツナギを着ているヒゲモジャの男。

この2人が次々とやってくるお客さんの悩みを解決していくのです。



今の時代歩けばすぐ近くにあるコンビニ。

どこにでもあるコンビニ中でも、この本の中のお客さんはこの門司港こがね店に決まってやってくる。

普段何気なく気軽に立ち寄れる場所に心温まる、落ち着ける空間があることってとても素敵だと感じた。

フェロ店長視点のピロローグの部分が印象的。

『レジ袋に商品を入れ、会計をして手渡す。そして気持ちを込めて最後に一言声をかける。料理の仕上げは愛情だと言うけれど、接客の仕上げも愛情だと思う。僕はいつだって、今目の前にいる人へ愛を込めて微笑むことを意識している。』

『だって彼らは数多あるコンビニの中からこの店–テンダネス門司港こがね村店を選んで来てくれている。1日の始まりや終わりの準備を、この店で整えてくれている。』

もっと無個性な接客でいいのにと言うアルバイトスタッフに対してファラ店長が言った一言

『コンビニの店員だって個性があっていいんだよ。そしてぼくはね、ふらっと立ち寄るだけの場所だからこそ、最高に居心地のいい空間にしたいんだ』


自分のやりたいことって何だろう、このままの仕事を何年も続けるのか悩んでいる時に背中を押してくれる言葉でした。

いつか私もそう言う最高に居心地いい空間を作り出してみたい。